アメリカテンポイント社製「NITRO X」のボウユニットを外してみた

一般的なコンパウンドクロスボウは、使用する前にボウユニットとクロスボウ本体を組み立てる必要があるのですが、
2018年モデルのアメリカテンポイント社製「NITRO X」(CB18005-3813)は、ほとんど組み立てられた状態でパッケージ箱に入っております。
メンテナンスする際に、基本的にはボウユニットを外すこともあり、どのようにして外れるかを試してみました!
※ご自身でされる場合は、自己責任となりますので、予めご了承ください。

使用した工具

・六角レンチ(5/32)
・トルクス(T25)※いじり止めなし

さっそく外してみました

いきなり結果ですが、ボウユニットを外すとこんな感じになります。
ボウユニットを取り外すと、引き金や安全装置まで、まとめて外れました。
その際、六角ネジ×6本と、トルクスネジ×1本を取り外しました。

ネジを外した箇所(その1)

ボウユニット側で外した箇所です。
安全装置側にトルクスネジがあり、その他は六角でした。
※赤線で囲んだ部分

ネジを外した箇所(その2)

クロスボウ本体側で外した箇所です。
※赤線で囲んだ部分

弦を一人で張るには(ベルト編)

一般的な方法ではないですが、一人で弦を貼る事ができます。

リカーブフルサイズクロスボウの場合

リカーブフルサイズクロスボウの組み立ては単純ですが、唯一弦を弓にかける作業が非常に苦労します。
ベルトを外す際に怪我をしないように十分注意してください。
リムの両端にベルトをかけてストックへ写真のように回して締め上げていきます。
そのまま締め上げると片弓に負担が大きくなりますのでベルトずらしながら少しずつ締めていきます。
写真ではフックをそのままかけていますが、できればリムに傷がつかないようにベルトを回したり、クッション性の良いものをはさみこむようにしてください。
あとは弦が届くまで締めてから弦を取り付けて外せば完成です。

ピストルクロスボウの場合

ピストルクロスボウも補助弦がないため同様の方法で取り付け可能です。
写真は「ManKung社製 ピストルクロスボー80A4AL 80ポンド コッキング 160FPS
そのままではベルトが長すぎるためリムに巻きつけています。
外したときにちゃんとベルトが取れるように考えてセットしないと後で泣きます。
少し締め付ければほら!もう弦が届きます。
ベルトもちゃんと取れました。

弦を一人で張るには(補助弦編)

リカーブフルサイズクロスボウの組み立ては非常に単純ですが、唯一弦を弓にかける作業が非常に苦労します。
※リカーブクロスボウは、弓に滑車がないタイプです。
その際に、便利が良いアイテムが「組立メンテナンス補助弦」です。
ここではその補助をして一人でも弓に弦をかける事ができるメンテナンス補助弦について紹介します。
下の画像をクリックすると拡大します。

ドローウェイトのポンド数は、何kg(キログラム)?

クロスボウのドローウェイト(弦を引く重さ)はポンド表記がされています。
いったいどのくらいの重さがあるのか日本人にはなじみが薄いです。
クロスボウに使われているポンドをキログラムに換算してみました。
ご参考になさってください。
50ポンド → 約22.6kg

80ポンド → 約36.2kg

120ポンド → 約54.4kg

130ポンド → 約58.9kg

150ポンド → 約68kg

175ポンド → 約79.3kg

180ポンド → 約81.6kg

185ポンド → 約83.9kg

200ポンド → 約90.7kg

225ポンド → 約102.6kg

一般的によく出ている150ポンドでも約68kgの力で弦を引くことになります。
したがって成人男性でも引けない方がいらっしゃいます。
力に自信が無い方はコッキング紐をご使用ください。

クロスボウのメンテナンスに使用する潤滑剤

クロスボウのメンテナンス箇所は

・各ボルト類の締め付け
・コンパウンド仕様の場合は滑車
・トリガーとその内部
・レール
・弦、ケーブル

その他

・防錆のため金属部分すべて
上記の部分に行いますが、この際に防錆、潤滑のため潤滑剤の利用を行います。

潤滑剤について

潤滑剤といえばクレ5-56などが思い浮かびますが、クロスボウはシリコンスプレーを使用するのが良いとされています。
シリコンスプレーは各メーカーからさまざまなものが出ていますのですぐに見つかるはずです。

弦とレールのメンテナンス

弦、レールについては、ワックスです。

クロスボウをコッキングする際、なぜか弦がかからない

組み立てたけど弦を思いっきり引いても弦が最後まで行かない・・・
購入時そういった経験をしたことがある人は多いと思います。

これって、どんな状態?

力がないだけで引けないこともありますが、よく見ると写真の部分がこのような形状になっていることがあります。

(画像をクリックすると拡大します)
これをみて不良品????と思う人はなかなか鋭いですが実はそうではありません。
購入時初回や発射後に写真のような状態になることがあります。
このままでも引けますが、この状態ですとかなり固くなっているので引くのが大変な場合があります。

対処方法

購入時初回一回は行った方が良い方法です。
柄の細いドライバーなど固く細い棒状のものを準備します。
これを写真のように隙間に入れます。

(画像をクリックすると拡大します)
トリガーのロックである、
「安全装置」を「解除」にしてドライバーを上に引き上げます。
※通常は安全装置を「前(FIRE)」にすると解除になります
※2014年より安全装置を解除しなくてもコッキングできる機種が出てきています(最下部参照)
カチャンとドライバーが通過すれば終わりです。

弦が通過するのが楽になります。

機種によっては

「安全装置を解除してからコッキングする」事が主流でしたが、2014年あたりから「安全装置の解除をせずにコッキングできる機種」が出てきています。
PL(PerfectLine、PoeLang)社製のジャガークロスボウが徐々に「安全装置の位置に関係なくコッキングできる」タイプになっているようです。
このタイプの場合、弦をコッキングする前には「安全装置自体が動かない」です。
※コッキング前にはトリガーが引ける(将来仕様変更になる場合があります)
弦が正常にコッキングされれば自動的に安全装置がロックされます。
※安全装置がロックされるとトリガーは動きません
※矢を装着せずに発射行為をする「空撃ち」は絶対になさらないでください
2014年時点ではまだまだ「安全装置を解除してからコッキング」するタイプが多くありますが、新タイプのような場合もありますので、弦のコッキング前に安全装置が動かないと慌てる必要はございません。

ピストルクロスボウの誤射防止テクニック

ピストルクロスボウ全般に言えることですが、特に50A1、80A1は組立のバランスで誤射しやすくなる傾向があります。
本体の構造上、ちょっとしたはずみで弦が移動してしまい発射状態になることがあります。
このような症状を防ぐには、製品をちょっと加工することで症状が出にくくなります。
※加工については、自己責任になりますので予めご了承ください。
80A1を例にし、ご説明いたします。
ちなみにピストルクロスボウ全般で方法は、ほぼ同じです。

加工する部分はココ


見ての通りちょっとしたはずみで誤射しそうで不安になります。

加工に使用する工具は?


身近にある100円ショップの商品です。
単なるヤスリです。太すぎるのは使えません。
適当な大きさのものを選びましょう。

傷防止の為バラしてみました


・・・が、意外とバラさなくてもできそうです。

加工実施!


周りの部品を傷つけないようにゆっくり削ります。
アルミ製のピストルクロスボウでも比較的簡単に削れます。
ちなみに、一度ばらしましたがバネ等の部品が飛ばないように!
※カバーは元に戻して作業した方が良いです。

出来上がり!


写真では分りにくいですが、若干のくぼみが出来ています。
つける過ぎるとトリガーが重くなります。
トリガーを重くしたい方にも有効な加工です。